ITの発達により、場所を選ばない働き方が増えています。政府では「リモートワーク(社外で仕事を行うこと)」を推進しており、働き方改革の一環として多くの企業がリモートワークをすでに導入しています。
リモートワークでよく使われるスポットが、「コワーキングスペース」です。コワーキングスペースは近年利用企業が増えており、賑わいを見せています。
コワーキングスペースを上手く活用できれば、コスト削減や新しい商品やサービスのアイデアづくりなどにも役立てられます。
今回はコワーキングスペース契約を考えている方向けにコワーキングスペースとは何か、そしてそのメリットやデメリット、コワーキングスペース運営で代表的な企業を3つご紹介していきます。
目次
コワーキングスペースとは
コワーキングスペースとは、「共同で仕事を行う空間」を指します。通常のオフィスと同じく椅子や机、プリンターなど業務に必要な設備が整っており、それらを他の利用者といっしょに共同で利用できる施設です。
コワーキングスペース自体はブームになる以前から存在していましたが、スタートアップなど一部企業の利用のみに限られており広まっていませんでした。
しかし働き方改革が推進されるようになり、状況が変化します。
働き方改革により、「ワークライフバランス(仕事とプライベートの両立)」を実現できるリモートワークが重要視されるようになってきました。その中で社外に拠点を用意できるコワーキングスペースは、リモートワーク実現の有効な手段の一つとして多くの企業から注目されています。
不動産関連のサービスを提供する「CBRE」では、2018年9月時点の東京都内コワーキングスペース市場規模を発表しています。それによると東京都内には346のコワーキングスペースが存在し、開設面積は2017年~2018年だけで2000~2016年の分を上回っています。
このようにデータからも、コワーキングスペースの注目度の高さが分かります。コワーキングスペースは現在東京都内を中心に開設されていますが、地方にも広がっており将来的にはますます存在感を増していくと思われます。
コワーキングスペースのメリット
コワーキングスペースには、次のメリットがあります。
・多様な働き方を後押しできる
・オフィスや設備などに掛かるコストを削減できる
・さまざまな人と交流を行い、アイデア創出などにつなげられる
多様な働き方を後押しできる
昔は会社の中で、全員がいっしょに仕事をするのが当たり前でした。しかし働き方の多様化により、社員に合わせて作業環境を確保することが求められています。
コワーキングスペースを契約すれば、自社とは距離があるところにも拠点を設けられます。これにより本社に行けない社員も安心して仕事ができるようになったりと、多様な働き方を後押しできるようになります。
また利用形態もフルタイムや指定した日にちだけ、指定時間だけなどさまざまで、目的に応じて使い分けられるのもメリットです。
オフィスや設備などに掛かるコストを削減できる
自社以外に拠点を持つ方法として、「サテライトオフィス」を作るという考え方もあります。サテライトオフィスは自社を惑星として、その周辺に衛星のように置かれる拠点を指します。
しかしサテライトオフィスは一から土地や建物を借りて運営しないといけないので、莫大なコストが掛かります。
対してコワーキングスペースは、施設自体は運営会社がすでに持っているので土地代や建物代が掛かりません。掛かってくるのは、基本的にプラン料金のみになります。
そして
・防犯システム
・プリンター
・Wi-Fi
・ロッカー
・フリードリンク
など仕事をするのに必要な設備がすでに整っているので、契約を行えばすぐに業務を始められます。
限定でコワーキングスペースが無料開放されることもあるので、気になる方はぜひコワーキングスペースの最新情報をチェックしてみてください。
さまざまな人と交流を行い、アイデア創出などにつなげられる
コワーキングスペースは、さまざまな人と交流を行える場所でもあります。
通常自社でこもって仕事をしていると、あまり社外の人間と関わることはありません。取引先企業関係者とは話をするかもしれませんが、それでも交流を行う人は限られています。
コワーキングスペースは、直接かかわりがない他の方も利用します。同じスペースで作業をしていると、話す機会も増えます。
結果的にそこから話が膨らみ新しい企業アイデアを創出できたり、取引先を新規で獲得できたりとさまざまなメリットが発生する可能性があります。
コワーキングスペースのデメリット
コワーキングスペースには、次のデメリットもあります。
・情報の取り扱いに注意する必要がある
・規模が限られている
情報の取り扱いに注意する必要がある
コワーキングスペースは、社外の方も利用します。つまり共用スペースで作業している資料やデータが、悪意のある人間に盗まれてしまう可能性も否定できません。
リモートワークではセキュリティが重要な課題となりますが、コワーキングスペースでリモートワークを行う場合は社外の方に機密情報が記載されている資料やデータを見られないよう注意する必要があります。
最近では、個室を利用できるコワーキングスペースも増えています。セキュリティが気になるならば、個室つきのコワーキングスペースも検討してみましょう。
規模が限られている
コワーキングスペースは、他の方と空間を共有します。そのため自社だけでスペースを占有することはできず、使える空間は限られてしまいます。
たとえば「リモートワーク拠点として、数百人規模のオフィスを用意したい」という場合にはコワーキングスペースは向いていません。この場合在宅ワークも併せて検討するか、サテライトオフィス建設なども視野に入れる必要性が出てきます。
コワーキングスペースは、どちらかというと小人数規模での利用に向いています。
コワーキングスペースの代表企業3社
ここからはコワーキングスペースを運営している代表的企業を、3つご紹介していきます。
・リージャス・グループ
・株式会社WOOC
・株式会社ツクルバ
リージャス・グループ
「リージャス・グループ」は、世界100カ国以上で約3,300拠点コワーキングスペースを展開する企業です。日本でも北は北海道から南は九州・沖縄まで、各地に拠点を展開しています。
・会議室
・受付サービス
など、コワーキングスペースに必要な設備が整っています。
12ヶ月契約で、全国で料金が変わりますが数万円ほどから契約が可能です。
「テレワーク・デイズ」に賛同し、毎年全国各地の拠点をテレワーク・デイズ中無料開放しています。事前申し込みが必要ですが、気になる方はぜひ近くのリージャス・グループ拠点をチェックしてみてください。
株式会社WOOC
「株式会社WOOC」は、「ビズコンフォート」というコワーキングスペースを提供しています。東京都をはじめとして関東や東北、関西地方などに拠点を持っています。
ビズコンフォートでは防犯システムやプリンター、Wi-Fiなどが標準装備されているほか、
・法人登記
・郵便ポスト
・ロッカー
なども有料オプションで利用可能です。
・1日中コワーキングスペースを使える全日プラン
・月2日間のみの軽い利用に使えるライトプラン
・全拠点をいつでも利用できる全拠点プラン
など、さまざまなプランが用意されています。
株式会社ツクルバ
「株式会社ツクルバ」は、「co-ba」というコワーキングスペースを提供しています。クラウドファンディングサイトで、資金調達を成功させたことなどでも話題になりました。
各拠点でイベントを頻繁に開催しており、交流の場として魅力的なのが特徴です。
料金は拠点ごとに異なりますが、
・月額利用
・1DAY利用
・イベント貸切利用
とビズコンフォートのようにさまざまなプランから好きなものを選べます。
まとめ
今回はコワーキングスペースとは何か、そしてメリット・デメリットや代表的なコワーキングスペース運営企業を3つご紹介しました。
働き方改革の中、スタートアップや個人事業主などに限らず大企業でもコワーキングスペース活用が進んでいます。コワーキングスペースを活用すればコストを抑えて拠点を確保できるほか、交流でアイデアを広げたりとさまざまなメリットを受けられます。
ぜひ無料開放などのイベントを利用して、コワーキングスペースを実際に体験してみてください。