介護などを行いながら仕事をしたい場合、在宅勤務はワーカーにとって強い味方になります。最近は「コロナウイルス」が世界的に拡大しており、対策として在宅勤務を推進する企業が増えてきています。
コロナウイルスが広まる前から在宅勤務を実施していた企業は、ノウハウがあるのでスムーズにリモートワークできるでしょう。ただし緊急でリモートワークできる環境を整えようとする場合、経費精算の問題が重くのしかかってきます。
今回はリモートワークとして在宅勤務を安心して導入したい企業に向けて、在宅勤務を許可する場合の経費精算の仕方などを分かりやすくご紹介していきます。
目次
在宅勤務でリモートワークする場合、按分の必要性などが出てくる
在宅勤務でリモートワークする場合、按分の必要性などが出てくる
ここからは在宅勤務で発生する各費用の経費精算について、区分事例をご紹介していきます。
・パソコン
・通信費
・水道光熱費
・カフェ代や食事代
・細かい消耗品費
パソコン
リモートワークには、パソコンが必要です。
パソコンについては、プライベート用のものを使わせるとセキュリティ上デメリットが大きいです。会社側で新規購入などして、支給するパターンが多いです。
会社でパソコンを支給する場合は、10万円を超える場合「減価償却」の必要性が出てきます。ただし10万円未満のパソコンを購入して支給する場合は一括で減価償却できるので、細かいことは考えなくて済みます。
その他特例を使えば、10万円以上のパソコンもまとめて償却できる可能性があるので確認しておきましょう。
ちなみにコストを抑えるために低スペックのパソコンを購入すると、従業員が満足に仕事できず生産性が落ちる可能性があります。支給するパソコンはリモートワーカーの業務内容などを確認し、見合ったスペックのモデルを選んで買ってください。
通信費
通信費は、リモートワークの経費精算の中で最も難しい項目です。
事業用にポケットWi-Fiを支給したり、固定回線を引いたりする場合は全額企業負担にします。ただし自宅の回線設備を使わせる場合は、プライベートで調べ物をしたり家族が使ったりと、ビジネス以外の利用時間が発生します。
どのタイミングでプライベートの利用が発生するかは分からず、また回線は複数の人間が同時に利用できるので細かく計算しているときりがありません。
通信費については、一定額を決めて支給する企業が多いようです。支給額を決定する際は、一般的にリモートワーカーがどのくらい自宅で回線を仕事利用しているか相場を調べるなど参考になるデータを用意するとよいでしょう。
水道光熱費
水道光熱費も、通信費と同じく家事按分が難しい項目です。
・パソコンを使うのに必要な電源や照明などの電気代は事業費用
・トイレは仕事中に使っていれば、費用計算可能
・水道代は費用計算できない場合が多い
など、使い方や水道光熱費の種類などによって経費精算の扱いが変わってきます。
通常は時間計算などで割合を出しますが、家族が多ければ多いほど按分計算を明確にしにくくなります。通信費と同じく、在宅勤務手当として一定額支給する企業が多いようです。
カフェ代や食事代
「ノマドワーカー(定住場所を持たずに働く人)」として、カフェやレストランでの就業が認められている方もいらっしゃるかもしれません。その場合、カフェ代や食事代はどうなるのかという問題が出てきます。
カフェやレストランで仕事をする場合、作業スペースを確保するため何か注文をする必要があります。飲み物代程度ならば作業スペース確保に必要な経費とみなされ、ワーカーが自己負担する必要がありません。
また場合によっては、軽食代なども経費計上可能です。
ただし本格的な昼食など、明らかに食べるのが主目的であるような場合は経費計上ができません。明確に区別するのは難しい面があるので、どの程度まで費用として認めるか事前に決定しておくと安心です。
細かい消耗品費
鉛筆やボールペン、ノートや修正液などの細々とした消耗品費も、リモートワークで必要になるでしょう。
消耗品費は、消費される必要経費です。基本仕事で必要な消耗品を購入した場合、全額を経費として落とせます。ただし最初はワーカーが立て替えて、後で領収書などを提出し費用を払ってもらう方法を取っているところもあります。
消耗品費の立て替え支払いなどを面倒だと思う場合は、あらかじめ会社で必要と思われる消耗品を事業用に渡しておくのも手です。また会社宛の宅配便は着払いにしておくと、立て替えの必要性がなくなるので便利です。
快適にリモートワークできる環境を整えている企業事例3つ
ここからは快適にリモートワークできるよう、経費について工夫を行っている企業事例を3つご紹介していきます。
・リクルート住まいカンパニー
・リベラルアーツ
・サイボウズ
リクルート住まいカンパニー
「SUUMO」を提供する「リクルート住まいカンパニー」では、在宅勤務を解放しています。しかし中には「落ち着いて作業ができる場所がない」という声を上げる従業員もおり、リモートワークの普及に課題が見えました。
そこでノマドワークとしてカフェやカラオケで勤務する際、必要だった料金を上限500円、1日4回まで会社が支給する制度を開始しています。
リクルート住まいカンパニーでは、「たとえばアポイントの際、時間になるまで会社に戻って待機するよりも近場のカフェやカラオケなどで業務を継続したほうが時間が無駄にならずに済む」と判断しています。
リベラルアーツ
Webデザインなどを取り扱う「合同会社リベラルアーツ」では、リベラル(自由な)の社名の通り就業形態を会社が管理しない体制を取っています。
リモートワークを推進するために、
・モニター、机などの購入資金補助
・集中力向上などの効果があると言われている植物などの置物購入補助
・ネット回線などの支給
などを制度で定めています。
やはりIT関係の企業はリモートワークと相性がよいのか、このようなユニーク性もある制度が用意されている場合も多いです。
Apple
熱狂的なファンを持つIT企業大手「Apple」では、
・在宅勤務アドバイザー
・在宅勤務チームマネージャー
・在宅勤務エリアマネージャー
などの職種を募集しています。
在宅勤務の職種に就くと、
・有給休暇を取得できる
・Apple製品などの割引を受けられる
・キャリア育成サポートを受けられる
などのメリットがあります。
また業務に必要なパソコンやヘッドセットなどは、Appleが支給するので用意する必要はありません。
まとめ
今回はリモートワークで在宅勤務を許可する場合の、経費精算の区分の仕方などをご紹介しました。
在宅勤務を実施する場合は、社員が使ったものが経費精算できるか、できないかを判断する必要があります。区分が難しい項目は按分計算を行ったりして、定額支給などを行えるよう準備しておくと確実です。