新型コロナウイルスの影響で、業種にかかわらずリモートワーク化が進んでいます。コロナ禍が過ぎたら元に戻る企業もあるかもしれませんが、しばらくはリモートワークの需要は高そうです。
リモートワークを行う上で課題となるのが、データの共有です。ローカル環境にデータがあると外部からのアクセスは難しいですし、かと言って社内に取りに行くのは面倒です。
そこで活用したいのが、「クラウドストレージ(オンラインストレージ)」です。プライベート用途でも使われる場面が増えているクラウドストレージですが、ビジネスでも活用できれば高い効果を発揮します。
今回はリモートワークで効率よくデータを共有したい方向けに、今さら聞けないクラウドストレージの概要やメリット、選び方やおすすめのサービス3選をご紹介していきます。
目次
クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、「SaaS(企業が提供しているサーバー上で、他のユーザーと共用してソフトウェアを使うサービス形態)」の一種です。オンライン上のサーバーにデータを保存して、Webブラウザーやスマホアプリなどから確認できます。
クラウドストレージは現在広く普及しており、連携させるとスマホメニューなどから手軽に呼び出して利用できるようになります。無料でも利用できますが、法人利用の場合は有料プランに登録したほうが便利な場面が色々あります。
クラウドストレージのメリット
クラウドストレージには、次のメリットがあります。
・手軽に導入できる
・パソコンやスマホがあれば、どこからでもアクセスが可能
・データ管理も簡単で、アクセス権限も設定できる
・事業継続性の面で有利
・ローカルデータの自動バックアップも可能
手軽に導入できる
自社で外部アクセスできるファイルサーバーシステムを作るのは、時間や手間が掛かります。管理するのも、面倒です。
クラウドストレージであれば、登録を完了させればすぐ利用可能です。時間や手間もかかりませんし、メンテナンスなどは提供先の企業に任せておけばよいので面倒もありません。
パソコンやスマホがあれば、どこからでもアクセスが可能
クラウドストレージを使えば、インターネット上からいつでも指定のデータにアクセス可能です。ローカルにしかデータがない環境と比べると、パソコンやスマホさえあればすぐどこからでもアクセスできるのは大きなメリットとなります。
たとえば「取引先に説明するためのデータを忘れた」という際も、会社へ取りに帰る必要なくクラウドストレージにアクセスしてデータをすぐダウンロードして使えます。リアルタイムでデータを確認したいならば、ぜひクラウドストレージを活用しましょう。
データ管理も簡単で、アクセス権限も設定できる
クラウドストレージでは、パソコンと同じようにフォルダを作ってその中にデータを入れ込めます。
たとえば営業部門で使いたいデータの場合は、
・業務用フォルダー → 営業部門のフォルダー → 指定のデータ
とたどれるようにしておけば、すぐデータにアクセスできますし管理も簡単です。
また
・編集権限あり
・編集権限なし、コメント入れ許可
・閲覧のみ
など、細かいアクセス権限の設定も簡単にできます。
事業継続性の面で有利
ローカルにすべてデータを保存しておくと、災害の際データがすべて失われる可能性があります。また新型コロナウイルスのような事態で在宅する場面が増えても、いちいちデータを取りに行く必要があり面倒です。
クラウドストレージにデータを入れておけば、安全に管理された企業のサーバーの中でデータが守られます。結果的に災害が発生してもクラウドストレージのデータは消える心配がないですし、インターネット環境と端末さえあればすぐ取り出して使えます。
また在宅などオフィス以外からでもすぐデータを確認できるので、リモートワークの点でも非常に便利です。
ローカルデータの自動バックアップも可能
ローカルデータの自動バックアップも、クラウドストレージでは簡単に実行できます。
・専用のフォルダを用意しておく
・そのフォルダにデータを保存すると、自動的にオンライン時データがバックアップされる
などの仕組みで、簡単にデータがバックアップされます。
ローカルにデータが増えすぎて、消去したり他の記憶容量に移さないと業務に支障が出るケースが出てくるかもしれません。その場合もクラウドストレージの自動バックアップを活用したりして、すぐ容量節約ができるようになります。
クラウドストレージの選び方
クラウドストレージを選ぶときは、次の点に注意しましょう。
・料金は適切か
・データ容量は十分か
・アップロードとダウンロードできる容量の最大サイズは足りているか
・セキュリティ機能は十分か
料金は適切か
クラウドストレージによって、料金は異なります。
クラウドストレージでは容量などを追加していけばいくほど料金が高くなるので、初期料金が高いように思えても長期的に見ると安くなる場合もあります。料金体系を全体的に確認し、自社に最適な料金設定になっているか把握しましょう。
データ容量は十分か
データ容量が十分でないと、満足にデータをまとめて保存できません。後で拡張も可能ですが、自社の規模も考えて適切な容量のプランを選択する必要があります。
またプランも月額や年額などタイプがあるので、適切なプランを選択しましょう。
アップロードとダウンロードできる容量の最大サイズは足りているか
クラウドストレージによって、アップロードとダウンロードできる容量の最大サイズは変わってきます。
書類を少し送受信する程度ならばあまり気にしなくてもよいのですが、
・動画などを頻繁にやり取りする
・書類データは同時に何枚も送受信する場合が多い
などに当てはまる場合は注意が必要です。
セキュリティ機能は十分か
社内の重要なデータも入るわけですから、セキュリティ機能は特に重要です。
・複数段階の認証が可能か
・細かいアクセス権限の設定ができるか
など、セキュリティに関する機能は難しいと思ってもチェックしておいたほうが安心です。
おすすめクラウドストレージサービス3つ
ここからは、おすすめのクラウドストレージサービスを3つご紹介していきます。
・Googleドライブ
・One Drive
・box
Googleドライブ
ビジネスでの利用例も多い、オンラインストレージサービスです。
・Googleドキュメント
・Googleスプレッドシート
などの業務系サービスと連携しており、「Excel」や「Word」感覚でデータを入力し、自動保存ができます。
また
・最近使用したアイテム
・スター付き
などの欄から、よく使うデータやお気に入りにしたデータなどを簡単に確認できるのもメリットです。
One Drive
「Microsoft」社製であり、「Excel Online」や「Word Online」などのサービスと連携しています。また通常のExcelやWordなどからも、One Driveを保存先に選んでデータをアップロード可能です。
「Microsoftアカウント」を発行すれば、さまざまな端末からデータを保存したり、取り出したりできます。Windowsと相性がよいので、ビジネス用途にピッタリのクラウドストレージです。
「Officeソフトとクラウドストレージを簡単に連携させたい」と言った用途におすすめのサービスです。
box
シンプルな使い勝手が特徴の、クラウドストレージサービスです。
セキュリティに気を遣っており、法人での利用ケースも多いです。
・アクセス権限設定が充実
・ログ監視ができる
など、高いセキュリティでデータを管理できます。
またどのプランを選んでも容量無制限なので、拡張性において他サービスより使いやすいのもメリットとなっています。
まとめ
今回はクラウドストレージとは何か、そしてそのメリットや選び方、おすすめのサービスなどをご紹介しました。
クラウドストレージを使えば簡単にデータ共有ができるので、リモートワークが捗ります。クラウドストレージ導入の際はデータ容量や値段などを確認し、適切なプランを選んでみてください。
ぜひクラウドストレージを活用して、リモートワークを効率化しましょう。