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DX化の第一歩!ペーパーレスを実現するメリットと注意点

DX化の第一歩!ペーパーレスを実現するメリットと注意点

デジタル庁が2021年9月に新設予定だったりと、現在日本では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関するニュースが頻繁に取り上げられています。DXに関する取組は長期間実行する必要があり、まだ取り組んでいない企業は急いで実現に向けて対策を行う必要があります。

DXを実現するには、まず業務にデジタルツールを取り入れて活用する「デジタイゼーション」を実行していきましょう。デジタイゼーション実現のためには「ペーパーレス」により紙の書類をシステム上で効率よく管理する体制を整えておくことが重要です。

今回はDX化にも深くかかわってくるペーパーレス化の概要やメリット、そして導入する際の注意点などを解説していきます。

目次

将来は紙がなくなる?ペーパーレス化とは

属人化も防げる!ペーパーレスを社内で実現するメリットとは

書類の種類に注意!ペーパーレス化を実行する際の注意点

まとめ

DX化の第一歩!ペーパーレスを実現するメリットと注意点

将来は紙がなくなる?ペーパーレス化とは

ペーパーレスとは直訳すると「紙のない」という意味になります。ペーパーレス化とは具体的には、紙の書類を廃してデジタルデータ化し、パソコンやスマホといった端末経由で利用できるようにする取組全般を指します。

紙の書類をデジタルデータに変換して利活用できるようにするのは、ペーパーレスの取組の一つです。最終的には最初から書類をデジタルデータで作成して、そのまま活用できるようにシステムを構築していくのがペーパーレス化につながる施策になります。

ペーパーレス化に関する法律は、実は2004年に「e-文書法」という形で制定されています。e-文書法では従来紙で管理する必要のあった書類を、スキャンしてデジタルデータとして管理するのを許可する法律です。制定当初は制限も多く、ペーパーレスの根本的な普及には至りませんでした。

しかし2015年、2016年などに法律に改良が加えられていき、

・領収書の金額基準が撤廃される
・スマホやカメラなどで撮影したデータの活用も認められる

といった内容が追加されて法律の適用範囲が拡大しました。現在では多くの企業がペーパーレス化のメリットを認識して紙のないビジネスモデルを構築しつつあります。

ちなみに一般消費者も、ペーパーレス化の流れを強く意識するようになっているのもポイントです。具体的には

・QRコード決済サービスにより、決済履歴をアプリ経由で確認できる
・アプリで家計簿を付けて、支出などをデータ化する

といった流れが広まって紙いらずの生活が浸透しつつある状況です。
DX化の第一歩!ペーパーレスを実現するメリットと注意点

属人化も防げる!ペーパーレスを社内で実現するメリットとは

ここではペーパーレスを社内で実現するとどのようなメリットがあるのかを記載していきます。

・書類情報がリアルタイムで共有可能になり、情報の属人化を防げる
・紙で業務を実行するよりスピーディーになり業務が効率化される
・紙代や印刷代、書類の管理代などが削減されてコストも抑えられる
・場所を選ばずに書類を取り出して確認できる
・事業継続性を確保しやすくなる

書類情報がリアルタイムで共有可能になり、情報の属人化を防げる

書類をデジタルデータにしてシステム上で共有できるようにすると、特定の人だけが情報を持っているという状況を防げます。特定の人だけが業務に関する情報を知っていると属人化が起こり、誰でも業務をこなせるようにして無駄をなくせる環境を構築するのが難しくなります。ペーパーレスにより属人化を防ぎ、業務を平準化しやすくなるのはメリットです。

また「紛失してノウハウが失われてしまった」というトラブルも、システム上にデジタルデータで書類が管理されていれば防げるのもメリットになります。

紙で業務を実行するよりスピーディーになり業務が効率化される

紙で業務を行っていると整理するのも大変であり、情報を利活用するのが難しい状況に陥る場合もあります。しかしペーパーレスを実現するとデジタルデータでかさばらずに書類が管理可能です。書類は文字検索などを行えばすぐに表示して内容を確認できます。

またデータの共有も簡単になり、紙の書類を使うよりも無駄が減ります。結果的に作業がスピーディーになって業務効率化が実現するでしょう。

紙代や印刷代、書類の管理代などが削減されてコストも抑えられる

最初からデジタルデータで書類を作成する環境が当たり前になれば、

・書類を印刷するための紙
・プリンターインク

などが必要なくなります。毎日複数枚書類を印刷しているとかなりのコストが発生するので、カットできればかなりの費用削減になるでしょう。ちなみに印刷機の負担軽減にもつながるので、印刷機を買い替えずに長持ちさせられる効果も見込めます。

また紙の書類を大量に用意すると、管理用のスペース確保や管理人員も必要になるのでコストがかさみます。しかしペーパーレスで書類が減少すれば、スペースのコストや管理人員のコストも減少するので他の業務に予算を割けるようになるのもメリットです。

場所を選ばずに書類を取り出して確認できる

紙の書類は手元にないと活用できません。たとえば「夜に商談先に書類を持って行く必要がある」といった際に書類を忘れたのに気付き、わざわざ会社へ戻るパターンも考えられます。

しかし紙の書類ではなくデジタルデータで書類が使える場合、ノートパソコンやスマホといった端末があればインターネット経由で書類をダウンロードして持ち運べるようになります。会社へ戻らずにそのまま商談先へ向かえるようになるでしょう。紙で書類が必要な際も、コンビニなどで印刷を行えばすぐ手元に書類を用意できるのもよい点です。

デジタルデータの書類には、紙の書類にはない柔軟性があります。

事業継続性を確保しやすくなる

現在事業継続性に多くの企業の注目が集まっています。コロナウイルスの急激な蔓延により、今まで通りオフィスで仕事をするスタイルが通用しなくなっているからです。オフィスに通うスタイルは残しつつも、在宅勤務やモバイルワークといった「テレワーク」を推進していく必要があります。

ペーパーレス化が進んでいれば、在宅でも外出先でも手軽に書類を表示して内容を確認可能です。また万が一オフィスが使えない状況になっても、オフィスに依存せずに書類を利活用できるようになるのもメリットになります。

コロナが収まっても、同じような状況になる可能性は考えられます。今の内にペーパーレス化を推進すれば、不測の事態にも冷静に対応できるようになるでしょう。
DX化の第一歩!ペーパーレスを実現するメリットと注意点

書類の種類に注意!ペーパーレス化を実行する際の注意点

ペーパーレス化を実行する際には、次のような注意点があります。

・セキュリティが弱いと情報流出の可能性がある
・紙での保管が義務付けられている書類も多い

セキュリティが弱いと情報流出の可能性がある

ペーパーレス化を実行すると、セキュリティリスクが新たに発生します。紙の書類を競合企業に閲覧されたり紛失して取られるといった状況はなくなりますが、

・システムに不正ログインがあり情報が流出した
・従業員の誤送信で競合にデータを送ってしまった

といったトラブルは考えられます。

技術面でも社内のリテラシー面でも対策を強化して、安全にペーパーレスの書類を利活用できる体制を構築しておきましょう。

紙での保管が義務付けられている書類も多い

現時点では紙での保管が義務付けられている書類も多いです。紙での保管が必要な書類はデジタルで利活用できるようにしつつも、原本を保管していつでも取り出せるように工夫する必要があります。

その上ですべてデジタルデータ化できる書類はペーパーレスを強く推し進めてみてください。取引先にペーパーレスの意義を説明して協力してもらう対応も必要です。すべてをむやみにデジタルデータ化するのではなく、紙で保管するパターンとデジタルデータにするパターンを書類ごとに分けて把握するのが重要になります。
DX化の第一歩!ペーパーレスを実現するメリットと注意点

まとめ

今回はペーパーレス化の概要やメリット、そして実行するときの注意点などを解説しました。

ペーパーレス化を推進すれば書類を紙のときより有効に活用できるようになります。ただしペーパーレス化を実行する際は紙で保管が義務付けられている書類を認識しながら効率よく対策を行っていく必要もあるので注意しましょう。

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