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総務の業務をアウトソーシングするメリット

総務の業務をアウトソーシングするメリット

企業の利益に直接結びつかないノンコア業務をアウトソーシングする企業が増えています。昨今では経理や採用、人事などに加えて、総務もアウトソーシングできるということをご存知でしたか?
今回は、総務の業務をアウトソーシングするメリットとデメリット、実際にアウトソーシングする際のポイントについてご紹介します。

(2021年3月26日更新)

関連ページ:アウトソーシングすべき「ノンコア業務」をどう判断する?

目次

意外と知らない総務の仕事

総務アウトソーシングが注目を集める背景

総務をアウトソーシングするメリット

総務をアウトソーシングするデメリット

総務のアウトソーシングを導入する際に考えるポイント

費用の相場

まとめ

意外と知らない総務の仕事

総務をアウトソーシングする、といわれて果たしてそんなことが可能なのかと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
例えば「給与の計算をアウトソーシングする」「人事採用をアウトソーシングする」と言われると、どのような業務を外注するかが想像しやすいですが、総務というと想像しにくいかもしれません。
これは、総務が企業内でさまざまなことを行なっている、いわば「何でも屋さん」であるためです。
特に大企業には「総務部」が独立している場合もありますが、従業員数の少ない中小企業の場合、総務だけでなく経理や人事まで行なっているケースも珍しくありません。

総務代行業者のサービス内容もさまざま

総務のアウトソーサーとしてサービスを提供している各社のWebサイトを確認してみると、同じ「総務」という名前でもそのサービス内容が多岐にわたっていることが見て取れます。
総務庶務、受付、メール室運営に加えて、経理や給与計算、不動産管理、社宅運営、オフィスの環境整備、社内LANの整備などさまざまです。
総務のアウトソーサーのサービス内容が広くなっているのは、その都度発注企業に合わせて業務の幅を広げているからだと考えられます。

総務の仕事って何?

実際のところ、総務の仕事にはどのようなものがあるのかを見てみましょう。一般的には以下のような業務が総務の仕事とされています。
・株主総会・取締役会・経営会議などの運営
・コーポレートガバナンスに関する事務
・定款の草案起草
・社内規則や就業規則の整備
・社印・公印の管理
・社員名簿の管理
・登記に関わる事務
・契約書の作成
・不動産・動産の調達と管理
・消防・防災計画
・広報活動、ホームページの管理
・稟議書など社内文書の管理
・社内の美化・清掃の計画と実施
上記にあげたのは総務の仕事のほんの一例であり、すべての企業の総務がこれらの仕事すべてを行なっているというわけではありません。また、上に挙げた以外の庶務や、事務なども総務の仕事となっている場合も多くあります。

関連ページ:経理業務をアウトソーシング! メリットとデメリット
関連ページ:社宅管理をアウトソーシングしてコストカットしよう!

総務アウトソーシングが注目を集める背景

日本的な考え方として、まずそこに人を配置して、そこに仕事が振られるという文化があると言われています。どこに頼めばいいか分からない仕事をとりあえず総務に頼むというケースも多くあり、総務の仕事は外から見える化しにくく、属人化しやすいという傾向があるのです。
そのため突然総務担当が辞職するとなると、一気に仕事が滞るというケースも珍しくありません。
このような状況が続くと、総務担当者も手広く仕事を引き受けすぎて疲弊してしまったり、本来の業務を行う時間が不足して書類の不備が起こったり、長時間勤務になってしまったりといった問題も発生します。
これらの問題を解決するため、総務の仕事を可視化してアウトソーシングするという手法が今注目を集めています。

総務をアウトソーシングするメリット

総務とは本来、企業が滞りなく事業を推進していけるようにマネジメントする役割を担う非常に重要な部署です。このように聞くと、正社員が行うべき仕事のように感じますが、実際は派遣社員や契約社員が業務を行なっているケースが多いのではないでしょうか。
総務の業務は多岐にわたり、いつも前述したような会社の命運に関わるマネジメント業務を行なっているわけではなく、各部署から要請があったタイミングで業務が発生するケースも多いので、専任で正社員を配置するにはコストがかかりすぎると考える経営者が多いという実情もあります。
このような状況で総務をアウトソーシングするという選択は想像していた以上のメリットを享受できる可能性を秘めています。

業務が整理される

総務のアウトソーシングを導入することで、今まで見えにくかった自社の業務を見える化し、整理することができるのが、メリットの1つです。
煩雑な業務を切り分けてマニュアル化することで、業務全体を整理することが可能になります。
業務が整理される事で、処理のスピードが上がり、結果的に多くの案件を処理することができるようになります。

退職リスクの回避

前述したように総務の仕事は属人化しやすく、担当者が急に退職するとなると、業務が滞ってしまう可能性が大いにあります。特に、派遣社員や契約社員に仕事を任せている場合は、法改正や突然の退職などでこのリスクは高まります。
総務の仕事をアウトソーシングすればこういったリスクを回避できる上、新任者への教育なども一切不要となり、業務効率化という点で見るとかなりメリットがあるのです。

総務をアウトソーシングするデメリット

総務の柔軟性が失われる可能性がある

総務の仕事というのは、企業の行く末を左右するマネジメント業務のほかに、あらゆる庶務が含まれます。総務担当者の多くは毎日経営に関する管理業務を行なっているわけではなく、社内の大掃除や、コピー用紙の補充など「何でも屋さん」的な業務を担当しています。総務をアウトソーシングするとこのような柔軟性は失われ、外注することができない庶務に関しては社員が対応することになります。

大幅なコスト削減は見込めない

総務という仕事の特性上、仕事を切り分けてみると結果として社内で対応することが増えるため、大幅な経済の動きは見込めず、経理や人事をアウトソーシングする場合に比べると、大きなコスト削減は見込めない可能性が高いです。

総務のアウトソーシングを導入する際に考えるポイント

目的を明確にする

総務が携わる業務は多岐に渡ります。
その中には、他社に委託した場合に割高になるものもあるので、アウトソーシングの利用の際は目的を明確にすべきです。
例えば、アウトソーシングすることでコストの削減を目指す会社がある一方で、特定の業務を専門家に依頼し、会社の知名度や信頼を出来るだけ上げたいという会社もあるでしょう。
アウトソーシングを利用した結果にどうあるべきかについて、社内で充分な話し合いを行い、利用の仕方を決めておく必要があります。

アウトソーシングする範囲を明確にする

アウトソーシングをする範囲を決めておくことで、外注先の選定が上手くいきます。
例えば広報活動に関しては、広告の対象者や広告の種類、継続期間などにより、アウトソーシングに係る料金は大きく異なります。
社内の業務量を減らす為であれば、なるべくコストを抑制できる外注先を探すべきですし、広告の効果をなるべく大きくしたいのであれば、実績重視で選定すると良いでしょう。

アウトソーシングの運用形態を検討する

総務の中には継続して行う業務と臨時的な業務の2種類があります。
社内の清掃等は一定期間ごとに行う必要がありますし、M&A等の特殊な契約書作成は発生頻度が少ないです。また、自己株式の管理を総務で行っている企業が多いと思いますが、この業務は単元未満株を継続して行いながら、市場から一時的に大量に購入する場合もあります。
業務ごとに大きく特性が異なるため、アウトソーシングが一時的な利用になるのか、長期的な契約になるかが分かります。
これまでの実務内容からアウトソーシングした場合の運用形態を検討しておくのがお勧めです。

自社内で外注先の窓口になる人間を選定する

多種多様な業務を担当する総務部の中には、専門的な内容の仕事も多くあります。
こうした業務は、経営戦略上で大きな意味合いを持つこともあるため、専門家の知恵や技術を借りることで、効果が大きくなるはずです。
しかしながら経営上で重要な意味を持つからこそ、外部スタッフに経営陣の目的を伝え、成果物・サービスが期待から外れないようにチェックしなければなりません。
アウトソーシング先となる専門家との協議を充分に行う為にも、社内に充分な知識を持ち、時間を費やせる担当者を用意する必要があります。

費用の相場

総務部の業務をアウトソーシングする場合、それぞれに係る費用の相場は大きく異なります。以下で料金相場を幾つか紹介いたします。

・HPの管理費:月々5千円~5万円(サービス内容が増えるごとに料金が上がります)

・契約書の作成代行:1契約1.5万円~10万円(定型的な内容ほど料金が安くなります。臨時的で専門性を必要とする内容だとそれ以上にかかる場合があります)

・議事録作成:60分 1万円

・株主総会招集通知代行:1通 5千円

まとめ

総務の業務をアウトソーシングするメリット

総務のアウトソーシングは、社員の退職や移動、派遣社員や契約社員の契約終了のタイミングで検討されるケースが多いというのが1つの特徴です。きっかけはこのように消極的でも、今までわかりにくかった総務の業務が見える化され、整理された業務スピードの向上には、目を見張るものがあると言われています。
アウトソーシングが難しいと言われている総務こそ大きな成果をあげる可能性があるのです。

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