日本企業における、労働人口の減少と労働生産性の低下は積年の問題であり、頭を悩ましているのは、経営者だけではないでしょう。
労働人口の減少は欧米先進国でも深刻な問題となっています。
そんな中、近年各国で続々と導入が続き、その市場規模も拡大しているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。
RPAとは、ホワイトカラーの業務内で発生する間接業務を自動化するというもので、Excelへのデータ入力や、インターネットからのデータ収集を行うなどの業務を得意としています。
間接業務を効率的に行うことは、すでに多くのBPOサービス会社が行っていますよね。
アウトソーシングを検討している担当者は、新たに台頭してきたRPAとBPOの違いを知り、自社で委託したい業務に適した方法で、委託先を決めていきましょう。
目次
標準化された定型業務なら、RPA
RPAの特性は、「決められたことを、決められた方法に従い、自動的に行う」ことです。
そのため、一定のルールに従った反復作業などの、単純な業務に向いています。
例えば経理なら、請求書の処理や財務データの作成、レポート作成、人事なら、社員のマスターデータの入力と更新や人事考課管理、休暇等の福利厚生の申請や管理などが適した業務となります。
RPAは処理スピードが人よりも断然速いですし、休憩なく常に稼働し続けるため、業務遂行の早さという点においても、非常に優れているのです。
また、データの入力で起こりがちな人為的ミスも、RPAでしたらサクサクとミスなく処理していってくれます。山積みの申請書やデータからコツコツと入力する作業工数を格段に削減しながらも、正確にアウトプットしてくれることも、RPAの利点と言えるでしょう。
そしてもちろん、RPA導入においては人件費を大幅に削減することができます。
スタッフの入れ替えなどによる教育に時間と人員を奪われることもないため、ロスタイムなく、一定のクオリティで業務が行われるといった点も、企業にとっては有益と言えます。
関連ページ:RPAができることって何?
付加価値や創造性を求めるなら、BPOベンダーへ委託
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、もともとは「事務業務や受付などのノンコア業務や、専門性の高い業務を、各種ノウハウをもったプロが請け負い、効率的に行うことで、企業へのコスト削減や生産性向上に対し貢献しますよ」といった売り文句を掲げていました。
しかし、AIを含むRPAの急速な参入により、BPOベンダーの存在価値も変化してきています。
これまでは、BPOベンダーのスタッフ(またはその再委託先のスタッフ)が、業務フローやマニュアルを簡略化し、業務のムリやムダを省くことに注力していました。
しかし、そのようなプロセスを飛び越えて、人の手の何百倍ものスピードで業務を処理してくれるロボットが現れたのですから、マニュアル整備や申請書のフォーマットを定型化するといった課題解決法は企業に対し生産性を高めるアピールポイントにはならなくなったのです
そんな中で、BPOベンダーは相次いでRPAを自社サービスに取り入れています。
これまでの業務パッケージをRPAに担当させ、企業に送り込むのです。
RPAはもちろん社内でシステムを導入さえすれば稼働できますが、導入に際しての専門知識の伴うセットアップやメンテナンス、バックアップを自社でまかなうより、専門スタッフにアウトソースしてしまった方が効率的と考える企業がほとんどです。
BPOベンダースタッフには、よりRPAに精通したデジタル技術との親和性の高さが求められます。RPAをツールとして効率的に使いこなしながら、委託された業務だけでなく、企業に対しさらなる付加価値を与えるサービスを提案・実践し続けるというスキルの両方が必要となったのです。
そのため、そのような高感度な人材育成と獲得がBPOベンダーの大きな課題となっています。
今、業務効率を上げるためのアウトソーシングとRPAとは、切っても切れない時代になっているのです。
関連ページ:ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とは?
企業はRPAを視野に入れた委託先を選ぶべき
このように、RPAは近年のBPOの拡大から生まれた産物といっても過言ではありません。
各業務のパッケージ化が一般的になったからこそ、RPAが急速に成長したと言えるのです。
現段階で業務のアウトソーシングを検討している担当者は、RPA導入にも積極的なBPOベンダーを選ぶことをおすすめします。
委託したからと言って必ずしもRPA導入を進めなければいけない訳ではありませんが、やはり、より高い精度で業務の効率化やコスト削減を実現していくために、そういったシステムは不可欠になってきます。
デジタルとアナログの両方に対し明るい知見を持ったBPOベンダーこそ、今後の企業の生産性向上に必要な存在となるのです。
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