業務効率を阻む要因のひとつとして、よく挙げられるのが、電話対応です。各種問い合わせや営業電話など、様々な電話に社員が直接対応しなければならない場合、不定期にやってくる電話への対応に業務が中断されてしまいます。
そのため最近では、自社社員に業務に集中してもらうために、電話代行サービスへのアウトソーシングを導入している企業が増えています。
顔が見えない分、企業のイメージを左右する電話での会話。そんな重要なファーストコンタクトを外部に委託することは、メリットとデメリットの両方がつきまといます。
アウトソーシングを検討する際には、きちんとリスクマネジメントも講じた上で、導入へと進まれることをおすすめします。
(2021年3月26日更新)
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目次
電話代行業者へのアウトソーシングには「情報」と「費用」の問題解決が大前提!
電話代行とは
電話代行とは、かかってきた電話を依頼者の代わりに電話代行企業のオペレーターが応対し、顧客の名前や連絡先、問い合わせ内容をヒアリングして依頼者に連絡してくれるサービスです。
例えば、移動や顧客対応が多い方は、かかってきた携帯電話に転送しているかと思いますが、大切な商談中に電話がかかってきた場合や営業時間外などは、どうしても電話に出られない状況が出てしまいます。
そういった電話を電話代行サービスを利用して取りこぼさず対応することにより、新規顧客を逃さず、既存顧客の満足度を上げることにつなげることができます。
電話代行の業務内容
電話代行サービスの主な業務内容は以下の通りです。
臨機応変な電話対応
電話代行は、ただ電話を受けて取り次ぐだけではなく、電話代行会社のシステムを通じて依頼者と情報共有を行い、状況に合わせた電話対応を行います。
顧客から伝言がある際には、メールや電話ですぐに共有してくれます。
勧誘・営業電話の不在対応
勧誘や営業電話の応対も、電話代行の仕事のひとつです。
例えば、「弊社のこういう商品を紹介したい」といった電話がかかってきた場合、「現在担当者が外出中のため、戻り次第こちらからご連絡させていただきます。」といった対応をしてもらうことができます。
受注代行・コールセンター代行
会社にかかってくる電話のなかには、自社サービスや商品の注文だったり、質問が含まれている場合があります。それらの受注代行やコールセンターの業務も、電話代行で対応してくれる業務のひとつです。
電話代行のメリット
では、電話代行を導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
機会損失の防止
社内で個々に電話対応を行っている場合に起こるリスクは、機会損失です。
前述しましたが、社内電話は外出中や営業時間外は留守番電話になることが多いと思います。また、営業中においても、当事者が離席している場合は他の人が受け、戻ってきたら伝言を渡すこともありますが、お互いがすれ違いになってしまい、結局折り返しの連絡が遅くなってしまうことも多々起こります。
そうしている間にも、重要な契約やオファーが流れてしまうこともありますので、企業としてはかなりの痛手ですよね。
そういった重要な電話を逃さないためにも、電話対応をアウトソーシングすることは効果的です。
電話代行サービスは契約の際、稼働時間が選べます。24時間受け付けるのか、企業の営業時間だけ受け付けるのかで金額は変わってきますが、重要な電話に出ることができなかったということを防ぐためには有効な手段です。
また、電話対応にはきちんと教育されたプロが配置されますから、相手の意向をくみ取り、きちんとメッセージを承るなど、企業イメージの向上へもつながる働きが期待できます。
丸投げアウトソーシングでコスト削減
電話代行業者の提供しているサービスは様々ありますが、各社に共通するのは、電話対応業務全般をひとつのパッケージとして受託してくれることです。
その中には、企業イメージ向上にもつながる品質改善業務(FAQの作成など)や、スタッフ教育などがすべて含まれます。そのため自社で電話対応専属スタッフを雇い、教育し、様々な問い合わせに対応してもらう…といった際に発生するコストを企業が負う必要をなくすことが可能です。
契約するパッケージ内容が自社の必要とするものに合致している場合、またそれ以上の効果への取り組みも含まれている場合、時間や経費といった総合的なコスト削減効果を得ることができるでしょう。
業務に集中できる
問い合わせなどの電話がかかってくることは会社にとってうれしいことではありますが、それらの対応に追われて本来やりたい業務に集中できない、といった状況になってしまうと意味がありません。
電話代行を導入すると、電話の用件はメールなどで報告が来るように設定されています。
その内容を見て急ぎの用件だけ対応し、空いた時間は自分が本来やりたい業務のために使うことができるでしょう。
電話相手からの信用を得ることができる
電話代行会社のオペレーターは、いわば電話対応のプロフェッショナルです。
一般的な問い合わせや営業電話、クレーム対応といったさまざまな電話内容に対応してくれます。
そのため、電話をかけてきてくれた顧客の満足度も上がり、企業のイメージアップにもつながるでしょう。
電話代行のデメリット
対して、電話代行を依頼した際に考えられるデメリットはどのようなものなのでしょうか?
機密情報を管理する必要がある
社外の代行業者にアウトソーシングするということは、社員や取引に関する情報、また場合によっては企業の財務状況といった社内機密情報を知られてしまうというリスクがあります。
これらを知られないようにアウトソーシングすることは無理ですので、契約の際は、情報管理規定を設け、代行業者の順守を徹底させることが必要です。
またその際、管理責任者や責任範囲も明確に定めること、そして代行業者スタッフの管理・監視体制も整えておくことが大切です。
高額な追加料金が発生する場合がある
電話代行サービスにて提供されるパッケージには大きく分けて「定額制」と「成果報酬制」の2種類です。
定額制は、その名の通り、ひと月で受けるコール数の上限をあらかじめ定めておいて、その上限までは一定額でサービスを利用可能です。
そして、成果報酬制ではワンコールあたりの金額×ひと月に受けたコール数で金額が変動します。
この2種類の料金制で注意して頂きたいのは、定額制で発生する追加料金です。
契約したコール数の上限を超えなければ毎月定額ですみますが、上限を超えたコール数を受けた場合、ワンコール毎に追加料金が発生します。その価格は各社ばらつきがありますが、成果報酬制のワンコール価格よりも、だいたい20~50%上乗せされています。
上限コール数を超えた後でも、スタッフは対応し続けますから、月が明けてみるとオーバーした分の追加料金に驚くなんてことが起こり得ますので注意してください。
専門的な内容だと対応が難しいことがある
電話代行会社のオペレーターは、電話対応のプロフェッショナルではありますが、自社で所属しているスタッフではありません。
自社で扱っている商品やサービスについての専門知識を必ず持っているわけではないので、専門的な問い合わせが来ると対応が難しくなってしまうことがあります。
電話代行企業のなかには、オプションとして専門的な問い合わせに対応するサービスを扱っているところもあるので、電話代行を依頼する際はHPなどを参考にしてみるといいでしょう。
こんな方は電話代行の導入をおすすめします
電話代行のメリットとデメリットを解説しましたが、実際にどのような方が電話代行を導入すると業務効率アップにつながるのでしょうか?
参考までに、3つのパターンをご紹介します。
移動や顧客対応で、電話に出られないことが多い方
前述しましたが、移動や顧客対応でオフィスを不在にすることがあり、電話に出られない状況が多い方は、電話代行を導入をおすすめします。
顧客のなかには携帯電話に電話をかけてくれることがありますが、大切な商談中や移動中にはどうしても電話に出られない状況が出てくるかと思います。
さらに、オフィスに電話しても留守電でつながらないという状況になってしまうと、顧客の満足度は下がってしまいます。
電話代行を導入することによって、顧客が伝えたい内容を伝えることができる環境を整えることができます。
当たり前といえば当たり前ではありますが、こういった環境を整えることで顧客の満足度アップにつなげることができるのです。
レンタルオフィスで働いている方
レンタルオフィスやコワーキングスペースなど、複数の企業が同じフロアにある場合、電話対応をする際は他の方の気を遣って電話対応をすることになります。
なかには、電話対応をするたびに邪魔にならないよう移動している方もいるのではないでしょうか?
電話代行を導入すると問い合わせの電話をオペレーターが対応してくれるため、問い合わせ電話を受けるたびに周りに気を遣わなければいけない、といったストレスから解放されるでしょう。
携帯電話しか持っていない方
会社を立ち上げた直後は、固定電話を設置しておらず携帯電話だけで電話対応をしている方もいるかと思います。
ですが、固定電話の番号が名刺に載っていることで安心感を感じる顧客も多くいらっしゃいます。
電話代行会社では番号貸し出しサービスを行っているので、会社としての信頼度を上げたいと考えている方は導入してみてはいかがでしょうか。
電話代行業者へのアウトソーシングには「情報」と「費用」の問題解決が大前提!
自社の社員が各業務に専念でき、また時間外や不在といった際に起こり得る機会損失も防止できるとなれば、電話代行サービスは是非取り入れたいサービスですよね。しかしデメリットも企業にとってはかなりの痛手となり得る大きな問題です。
委託する企業側としては、デメリットである「情報管理」と「費用」の問題点の解決策をきちんと講じた上で、外部業者へアウトソーシングしましょう。
そのためには、情報管理は漏洩リスクをなくすための両社間の取り決めの制定が重要になります。また費用については、ある程度の期間でのコール数の総数や時間別の受電数の分布などの調査を行うことが必要です。
リアルゲートが展開するBPOサービスでは専任のスタッフが導入からしっかりサポートいたします。
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