様々なモノがインターネットでつながるIoTが進化を遂げ、私たちの生活に関わるインフラにも大きな変化をもたらしています。これまでネットショッピングの印象が強かったIoTですが、社会の持つ課題解決のために新たな解決策が生まれています。
社会インフラのIoT化は私たちの生活にどのような変化をもたらすのでしょうか?その取り組みは各方面で始まっているのです。
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目次
2020年に向けて日本の都市計画の行方がこれからの大きな課題
都市部の持つ社会的課題解決のためには都市全体のIoT化
深刻な渋滞、ごみ、災害、犯罪、温室効果ガス…など、都市部では様々な問題が山積みとなっています。これらの問題の解決策として活用され始めたのがIoT。すでに下記のような活用法が実施されています。
・スマートモビリティ:車の流れを感知するモニターで渋滞緩和。交通事故の早期発見・対応
・スマートパーキング:空いている駐車場をセンサーで感知し、ドライバーに共有
・スマートライティング:街灯のネットワーク化による最適制御で省エネ
・スマート廃棄物処理:各回収地点のごみ量をモニタリング、収集車へ最適ルートを通知
・環境モニタリング:センサーにより大気汚染状況などを感知
・犯罪防止:センサーやモニターによる画像認識。犯罪の統計を分析し事前防止
これらの対策に共通するのはセンサーの存在です。
都市全体にセンサーを張り巡らせることで、渋滞緩和やエネルギー管理、犯罪防止のための各種アプリケーションにつながり、個人だけでなく企業や警察、医療機関などとリアルタイムで状況の共有が可能となるのです。すでにスペインのバルセロナや、フランスのニース、ポルトガルなどで、都市のIoT化プロジェクトが進んでいます。
中心街に大量のセンサーを張り巡らせることで、インフラがネットワーク化され、各種アプリケーションによりコントロールが可能となっているのです。様々な点から都市部の利便性や快適性を向上させながらも、環境汚染や犯罪の抑止効果を高める「スマートシティ」は、これからの日本の都市計画でも重要なお手本となるでしょう。
個人と企業とインフラがネットワークでつながる世界
先に挙げた都市のIoT化プロジェクトを進めている都市部では、大量のセンサーに集約される膨大なデータが、各アプリケーションに入ってきます。人の流れや車の流れ、使用されるエネルギー量や排出される温室効果ガスなどがネットワーク化され、常にリアルタイムで状況が把握できることにより、効率的な都市経営が可能となります。
個人はスマートフォンなどのデバイスを通じて、移動や買い物、通院や公共機関での手続きなどがスムーズに行えるようになるでしょう。また、企業や公共機関も、リアルタイムにモノや人の動向データを得られるため、より利便性の高いサービスを提供できるようになるという良い循環が都市に生まれます。
社会インフラのIoT化は、都市に暮らす人、働く人、地球環境がより良いかたちで循環するためには最適な道であると言えるのです。
2020年に向けて日本の都市計画の行方がこれからの大きな課題
先に挙げたように、欧米の観光都市では、すでにIoT都市への取り組みが急速に進んでおり、そこに暮らす人々以外の観光客へも多くのサービスが生まれています。多くの観光客が出入りする観光都市では、世界各国から集まる人々がより快適に滞在を楽しめる環境づくり=インフラ整備が必要です。日光などの国内の観光都市でも、ビーコンを活用した観光用スマートフォンアプリの運用をはじめており、アプリをダウンロードしておけば、各観光スポットや飲食店の近くを通りかかった際に、イベント情報が送られてくるなどの機能を複数言語で用意しており、国内外の観光客の集客に励んでいます。
欧米諸国に比べてITと国の関わりがまだまだ弱い日本において、2020年東京オリンピック・パラリンピックを機に、どのような街づくりがなされていくのかを世界は注目しています。町全体がネットワーク化することで想定されるセキュリティ面での課題にも慎重に対応しながら、人々とネットがより親和性の高い街づくりを目指してスピーディーな取り組みがなされていくことを期待しましょう。
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