現在、経済産業省がDXを推進している影響もあり、多くの企業で社内DX化に向けた取り組みをおこなっています。社内DXを進めていく中で、重要になる要素の一つが「テレワーク」です。最近では新型コロナウイルスの影響で、多くの企業にテレワークが求められています。
しかし、テレワークを導入するためには、出社しなくても業務をこなせるような環境整備をしなければなりません。そこで今回は、テレワークを推進していきたい経営者や担当者に向けて、テレワークの整備環境で注意すべきポイントをご紹介します。
目次
DXとは
DX化に必要不可欠なテレワーク
テレワークの環境整備時に注意すべきポイント
まとめ
DXとは
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタル技術の活用を意味しています。
DXの意味を踏まえたうえで社内DX化とは、社内でおこなわれている業務をデジタル技術に置き換え、今までよりも作業効率を向上させたり、マーケティング戦略を立てるためにデータ収集をおこなったり、データ分析によって今後の経営方針を定めたりするものです。
DX化に必要不可欠なテレワーク
テレワークは、DX化を進めるうえで必要不可欠な要素です。昨今、コロナウイルスの影響でテレワークが当たり前の働き方になっています。そこで、テレワークを活用できていない企業は、できる限り早くテレワークを推進しなければなりません。
しかし、テレワークを推進するためには社外でも業務を回せるような仕組み作りが必要であり、そのためにはDX化によってデジタル技術の活用が重要となります。以下の記事では、リモートワークに成功した企業をまとめているのでぜひ参考にしてください。
参考になる!リモートワークで成功している企業事例をまとめました
テレワークの環境整備時に注意すべきポイント
DX化に向けて、テレワークの環境を整えるのが重要だとわかりました。しかし、実際に環境整備をおこなうときにどういった点を意識すべきなのかが分からない方も多いでしょう。テレワークの環境整備時には、以下の4つが重要です。
- セキュリティ面の強化
- ペーパーレス化の推進
- 業務に必要なツールの準備
- コミュニケーションの図り方
それぞれ解説していきます。
①セキュリティ面の強化
DX化でテレワークをおこなうためには、セキュリティ面の強化が必須です。具体的には、以下の点に注意すると良いでしょう。
- どのパソコンを利用するか
- どのインターネット回線を使うか
- 社内システムへのアクセス方法
1つ目は、テレワークに利用するパソコンを自宅のパソコンにするか会社付与のパソコンにするかです。予算がある企業であれば、1人に1台ずつパソコンを付与できるでしょう。しかし、中小企業で予算もない場合は1人ずつの付与が難しいため、どうしても私用のパソコンを利用する可能性が出てきます。その際、私用のパソコンに社内の機密情報を持ち出せない仕組みを構築するのが重要です。
2つ目は、インターネット回線の利用についてです。最近では、カフェでフリーWi-Fiが提供されています。テレワークを実施する方の中には、気分を変えてカフェで仕事をする方もいるでしょう。しかし、フリーWi-Fiは暗号化をせずに通信が実施されているため、ネットワーク管理者に通信を盗聴される危険性があるのです。テレワーク時には、自宅でセキュアな通信環境の実現が必要でしょう。
3つ目は、社内システムへのアクセス方法についてです。業務をするうえで、社内のシステムやファイルサーバーにアクセスできないと仕事にならないという方も多いと思います。そこで、VPN回線を使ってセキュアな通信を実現したり、認証制度を強化したりするなどの対応が必要です。
また、昨今ではクラウド化が進められているため、社内の環境を全てクラウドに移行し、認証制度を強化しつつ社外からのアクセスを可能にするのが良いでしょう。
②ペーパーレス化の推進
テレワークで懸念される問題の一つとして、情報漏洩があります。情報漏洩は、パソコン上から流出するだけではなく、書面から漏れることも十分考えられます。したがって、テレワーク時に会社から紙の書面を持ち帰ることはおすすめできません。
そこで紙の書面を持ち歩かなくてもいいように、ペーパーレス化の推進が求められます。ペーパーレス化によって、電子データとして持ち歩けるため、オフラインでの紛失の心配がなくなります。
また、必要な情報を探すときにも、電子であれば一発で検索ができます。一方で、紙の書面であれば1枚ずつ見なければならないため、必要な情報を得るまでに大きな時間を要してしまうのです。
そのほかにも、以下の記事ではペーパーレス化と合わせてさまざまな業務効率化を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
業務効率化を進めるためのアイデア5つをご紹介
③業務に必要なツールの準備
テレワークを実施するためには、コミュニケーションツールの導入が必須となります。コミュニケーションツールとは、チャットやオンラインMTGなどのさまざまなコミュニケーションが実施できるツールで「Teams」「Meet」「Slack」などが代表的です。テレワークでは、直接顔を合わせる機会がないからこそテキストやオンライン会議のコミュニケーションが重要になります。
そのほかにも、営業担当者は直接顧客と会うのが難しいため、Web会議ツールを活用して商談をおこなう必要が出てきます。以下の記事では、テレワーク時に必要なツールを紹介しているので、導入時の参考にしてみてはいかがでしょうか。
【おすすめもご紹介】リモートワークの業務管理にはどんなツールが必要?
④コミュニケーションの図り方
テレワークでは直接顔を合わせる機会がないため、コミュニケーションを図らないと孤独感を感じながら仕事を進めることになります。孤独を感じて仕事をしていると、不安感によってストレスとなってしまい、最悪のケースでは退職するケースも考えられるのです。
そこで、定期的なコミュニケーションを図っていくことで、孤独を感じずに仕事を進めていけるでしょう。また、密なコミュニケーションによって仕事の相談がしやすくなるなどのメリットもあるため、物理的距離を解消する方法は認識しておきたいところです。
物理的距離の解消方法については、下記の記事で詳しく解説しているのでご一読ください。
リモートワーク(テレワーク)での心理的距離の縮め方
まとめ
今回は、テレワークを推進していきたい経営者や担当者に向けて、テレワークの整備環境で注意すべきポイントをご紹介しました。
テレワークの環境を整えるためには、多くの要素に注意して進める必要があるため、社内の人間だけで推進していくのは難しいものです。社内の人間だけでおこなった場合、必要なものを見落としたり、作業が非効率な環境になってしまったりする可能性があります。そこで、必要に応じて専門企業のアドバイスを受けることも有効な方法だと言えるでしょう。
これから社内DXの推進とともにテレワークを実施したい企業は、社内だけではなく専門企業のアドバイスも検討しながら進めていきましょう。