コスト削減は企業の存続と発展において、永遠について回る課題です。
上司からの指示で、二言目には聞く「コスト削減」の言葉。
あまりにも頻発されすぎている割に具体的な施策を提示されず、何から手をつけていいのか分からなくなってしまっていることも多いようです。ここでは、コスト削減の基本的な考え方についてご説明します。
目次
コスト削減=企業利益増
「コピーはモノクロで両面印刷を!」という社内ルール、よく聞きますよね。
このルール設定の背景を、社員ひとりひとりがしっかりと理解しているのといないのでは、企業利益に大きな差が生まれてきます。
そもそも、コストと呼ばれるものは、「企業経営に際し必要な経費」のことを指します。
ということは、営業部が客先へ出向く際の交通費も、経理部が社員の給与明細に使用する紙の購入費も、社員により良いコンディションで働いてもらうためのエアコン代も、すべて会社にとっての必要経費=コストなのです。
一方、企業がどれくらい儲かっているか(利益)は、簡単に言えば、営業活動により生じる売上高(収益)-必要経費(コスト)で算出されます。
必要経費を減らすということは、企業収益から引かれるものが少なくすむため、結果的に会社の利益が増えるということなのです。
企業の規模が大きくなればなるほど必要経費も増えますが、社員ひとりひとりの小さな取り組みから生まれる削減額も増えますので、企業利益に対する影響はおのずと大きくなっていくのです。
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目先の節約で終わらせないために
ただ闇雲に消耗品の使用を控えたり、人件費を削ることは、社員のモチベーションが低下するだけでなく、生産性の低下を招きます。
コスト削減を進める際に最も大切なことは、コスト削減達成の先にある、事業利益増加につながる目標をはっきりと定めることです。
そして、社員たちにこれから行う取り組みが単なる節約ではなく、先々の大きな目標を達成するために必要なことであると、しっかりと認識してもらうことです。
そのためには、コスト削減においても綿密に計画を立て、実施項目や目標数値などを設定し、ゴールまでの道のりを明確に可視化することが必要となってくるのです。
フォアキャスティングではなく、バックキャスティング
コスト削減の計画を立てていく際に、必要なこと。それはバックキャスティングで考えることです。
フォアキャスティングとは、現在の数値や実績、過去の統計などをもとに、現在地からの視点で未来の状態を予測する方法です。対して、バックキャスティングは、目標とする未来を定め、目標地点までの道のりを逆にたどることで、現状必要なことを洗い出すという方法です。
前者は、未来が現在の延長線上にあることが前提で、組織において変化や改革を起こす際の目標値設定には不向きな考え方です。
まず目標を明確に設定する、そして、達成に必要なことを計画的に行っていくということが、効果的なコスト削減への取り組みにおいては重要となってくるのです。
ゴールまではひたすらフィードバックと修正を繰り返す
コスト削減への取り組みにおいて、一番ないがしろにされがちなことは、フィードバックと修正です。
昨今ノウハウ本もたくさん出版されている「PDCA」の「C=Check」と「A=Action」が抜けてしまい、計画(Plan)し、実行(Do)しただけで満足してしまっている組織をよく見かけます。
①.Plan 目標値達成までの推移をグラフ化し、行動内容をスケジュール化する。この時、中間チェックの時期も計画に織り込む。
②.Do 計画に沿って実行する。
③.Check 中間チェック。当初の計画と比較し、達成率を見る。また実行過程で不具合や無理が生じた部分などをふまえ、今後の計画を修正する。
④.Act 修正した計画をもとに、実行する。
以上4つのプロセス内③と④をとにかく注視することが大切です。
コスト削減は、社員全員で取り組まなければなかなか達成できません。
身を切る痛みはより少なく、なおかつより効果的な取り組みを行うよう、バランスを取るのはなかなか難しいことです。
そのためにも削減対象だけにとらわれず、付随するさまざまな要因を視野に入れながら、コスト削減計画を立てて下さい。
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